岸田文雄首相は21日の衆院予算委員会で、企業収益の分配の在り方について「株主還元という形で成長の果実等が流出しているということについてはしっかりと受け止め、この現状について考えていくことは重要」と述べた。
岸田首相は「資本主義の持続可能性を考えたならば、その成長の果実が一方的に、一部に資するだけで終わってしまったら続かない」と語った。
国民民主党の前原誠司氏が「資本市場は本来、資金調達の場だったのに資金流出の場になっている」と指摘。海外の投資家もいるため「国富が海外に逃げているという認識はあるか」とただした。
「資本主義というものは関与するステークホルダーそれぞれに資するものでなければ持続可能なものにならないという観点から考えた場合に、株主還元という形で成長の果実等が流出しているということについてはしっかりと受け止め、この現状について考えていくことは重要であると認識している」(岸田首相)
岸田首相は成長と分配の好循環を目指す「新しい資本主義」を掲げ、市場・株主偏重の資本主義からの転換を訴えている。企業の四半期開示の見直しや金融所得課税強化を検討するほか、自社株買い規制にも言及。首相の発言は、昨年10月の政権発足時から株価変動につながったとの指摘がある。
四半期開示の見直しを巡っては、18日の金融審議会作業部会で議論を開始したが、短期主義を助長してはいないとの趣旨の発言が相次ぎ、廃止に賛成する委員はゼロだった。
2022年2月21日 12:02 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-02-21/R7MM17T0AFB401
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【悲報】岸田首相「株主還元で成長の果実が流出、この現状について考えていくことは重要」