ジャック・ドーシー氏は、ツイッターなど2社の最高経営責任者(CEO)を務めていた2021年、米フロリダ州で開かれた暗号資産(仮想通貨)ビットコインの会議に参加した。
絞り染めのTシャツを着て、白髪交じりのひげを伸び放題にした丸刈りのドーシー氏が登壇した時、上場企業2社のCEOというよりは、ビーチサイドのバーテンダーのように見えた。ツイッターは従業員の出張を禁止していたほか、アクティビスト(物言う投資家)のグループからはツイッターの経営に集中していないとして1年半にわたり更迭を求められていたにもかかわらず、同氏はこの会議に出席した。
そこまでして出席したのは、ビットコインについて話したいことがたくさんあったからだ。言うべきことはツイッターや自身の決済会社スクエアに関してよりも多かったかもしれない。同氏はビットコインが銀行にとって代わり、発展途上国の起業家に経済的なチャンスをもたらし、再生可能エネルギーへの投資を促進すると主張した。
ドーシー氏は当然のことのように「ビットコインは間違いなく全てを変える」と述べ、「私の生涯で取り組むべきことの中で、これよりも重要なものはない」と語った。
この5カ月後、ドーシー氏はツイッターのCEOを退任するとともに、スクエアの社名をブロックに変更すると発表した。新社名は暗号資産を支える主要技術、ブロックチェーン(分散型デジタル台帳)を想起させる。
正式にはブロックがドーシー氏の本業だ。しかし、同氏の周りにいるほとんど全ての人が副業にかなり真剣であることを知っている。同氏の下で働いた30人余りの現・元従業員との会話に基づくと、同氏の現在の「お気に入りの子ども」はブロックではなく、ビットコインのようだ。
ドーシー氏は広報担当者を通じてコメントを控えた。同氏は過去2年間、ビットコインの非公式の精神的指導者と称して、 ツイッターを通じて常にビットコインを宣伝し、他の暗号資産プロジェクトに資金を提供するテクノロジー関連のベンチャーキャピタル投資家を批判してきた。
昨年、テスラのイーロン・マスクCEOと出席した別の暗号資産の会議では、ドーシー氏はビットコインが「世界平和」を実現できるとまで述べた。(マスク氏はツイッターの株式9.2%を取得したことを今月開示し、数年にわたり培ってきたドーシー氏との関係をさらに深めた。マスク氏はその後、ツイッターに買収案を提示している)
ドーシー氏の熱意は、ブロックやビットコインの未来に影響を及ぼす。ドーシー氏は経営者としての資質に疑問を抱かせる側面はあるものの、未来を読む上で間違うことがめったにないからだ。
同氏は他の人が目を付ける何年も前に、特定のトレンドや製品に夢中になることが多いと、同氏の会社の従業員は話す。これはより目先の問題を無視したり、関心を失ったりする状況を意味しかねないが、結局は正しいことが多いという。ツイッター元社員の一人はドーシー氏について「製品マネジャーではない。製品発明家だ」と話す。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-15/RAB88RT0AFB501
続きを読む
Source: コイン速報 | 仮想通貨ニュース・暗号資産相場情報・5chまとめ
【実業家】ツイッターよりビットコイン-未来読む共同創業者ドーシー氏が進む道